シリコン塗装のメリット・デメリットを解説
シリコン塗装は、シリコン塗料を使用した、外壁塗装の中でもとくにポピュラーな施工方法です。本記事では、そんなシリコン塗装の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。また、シリコン塗料が向いている住宅と向いていない住宅についても紹介するので、ぜひ自宅と照らし合わせてみてください。
シリコン塗装の特徴
シリコン塗装とは、主成分にシリコン系またはアクリルシリコン系の合成樹脂を使用した塗料を使用した塗装です。外壁塗装の中でも、とくに人気が高い塗装の一つです。耐久性や耐候性、撥水性に優れており、雨風や紫外線といった自然環境の影響を受けにくく、長期間にわたって美観を保つことができます。
また、汚れがつきにくくカビや藻の発生も抑える効果があるため、外壁だけでなく屋根の塗装にも広く利用されています。加えて、機能性に比べて価格が比較的手ごろであることも、シリコン塗装が一般家庭でよく選ばれる理由の一つです。
施工方法については、主にローラーや刷毛による手作業が一般的です。これは塗料を均一に塗り広げるのに適しており、施工の精度も高くなります。一方、スプレーガンによる施工も可能ですが、塗料を空気圧で噴射するため、風のある日や周囲に建物が密集している場所では塗料が飛散するリスクがあります。
そのため、使用環境をよく確認する必要があります。特に塗装面に凹凸がある場合や、細かい部分に塗る際にはスプレー施工が有効です。
シリコン塗装のメリット・デメリット
シリコン塗装は外壁や屋根塗装において定番とされる塗料で、多くのメリットを持つ一方、いくつかのデメリットもあります。
メリット
まずメリットとして挙げられるのは、優れた耐久性と防汚性です。シリコン塗料は紫外線や雨風に強く、泥やほこりがつきにくいため、長期間美観を維持できます。とくに、日差しの強い場所や風雨の影響を受けやすい地域には最適です。
次に、コストパフォーマンスの高さも魅力です。シリコン塗料の耐久年数はおおよそ8〜15年とされており、アクリル塗料やウレタン塗料よりも長持ちします。その割に価格は手頃で、長期的に見てもコストを抑えた塗装が可能です。そのため、費用と品質のバランスを重視する人に人気があります。
さらに、製品のバリエーションが豊富な点も大きなメリットです。カラーの種類が多いだけでなく、耐熱・遮熱・断熱などの機能性を持つ塗料も多く、ニーズに応じた製品選びがしやすいのが特徴です。加えて、高い光沢保持率により、美しい外観を長く保てる点も魅力で、見た目の美しさを重視する人に適しています。
デメリット
シリコン塗装の最も大きなデメリットは、塗装がひび割れしやすい点です。シリコン塗料は弾力性がやや低いため、建物の動きや経年劣化によってひびが入りやすいことがあります。ただし、弾性を持ったシリコン塗料を選べば、この問題はある程度軽減できます。
また、重ね塗りに不向きなのも難点です。撥水性が高いため、塗膜の上に新たな塗料が密着しにくく、再塗装時には下地処理が必要です。重ね塗りは技術が求められるため、経験豊富な業者に依頼しましょう。
最後に、扱いの難しさもデメリットです。シリコン塗料は沈殿しにくく粘度が低いため、塗装時の塗りムラが出やすく、付着性もあまり高くありません。そのためDIYには不向きで、専門の職人によるていねいな施工が必要になります。
シリコン塗装が向いている住宅・向いていない住宅
シリコン塗装は定番の外壁塗装であり、優れた耐久性とコストパフォーマンスを兼ね備えています。ただし、すべての住宅に最適とは限らず、向いている住宅とそうでない住宅があります。
以下に、シリコン塗装をおすすめできる住宅と、そうでない住宅について詳しく紹介するので、自宅の状況と比較してみてください。
シリコン塗装をおすすめする住宅
まず、シリコン塗装をおすすめできる住宅として挙げられるのは、コスパを重視する人の住宅です。シリコン塗料は価格が比較的手ごろでありながら、8〜15年と長めの耐久年数を持っているため、費用対効果に優れた塗料といえます。
次に、塗り替えのスパンをできるだけ空けたい場合にもおすすめです。頻繁な塗り替えは手間と費用がかかりますが、シリコン塗料は耐候性が高く長期間にわたって美観を維持できるため、メンテナンスの手間を軽減できます。
また、少なくとも10年間は現在の住まいに住み続ける予定のある人にも適しています。長期間住むことを前提にすると、耐用年数の長いシリコン塗料は非常に合理的な選択になります。頻繁に引っ越しをする予定がない家庭にとっては、メンテナンス回数を減らせる点も魅力です。
さらに、自由に色を選んで外観にこだわりたい人にもシリコン塗装は向いています。カラーバリエーションが豊富で、さらに遮熱機能や断熱機能付きの製品など、性能の幅も広いため、自分好みの仕上がりにすることが可能です。
シリコン塗装をおすすめできない住宅
一方で、シリコン塗装をおすすめできない住宅も存在します。まず、10年以内に引っ越しや売却を予定している住宅では、耐用年数の長さが活かしきれないため、もっと手軽な塗料で十分な場合があります。コスト面を重視する場合は、短期使用に適した別の塗料を検討しても良いでしょう。
また、モルタル外壁の住宅には注意が必要です。モルタルはひび割れが起こりやすく、弾力性の低いシリコン塗料とは相性がよくないです。ただし、適切な下塗り材を使用することで対応できるため、完全に不適というわけではありません。
さらに、重ね塗りを前提とした塗装を希望する場合にも注意が必要です。シリコン塗料は撥水性が高く、塗膜の上に新たな塗料が密着しづらいため、下地処理が不十分だと剥がれやムラが生じることがあります。重ね塗りの必要がある場合は、経験豊富な施工業者に依頼し、適切な下地材を用いた塗装を行ってもらうことが求められます。
まとめ
シリコン塗装は、耐久性・防汚性・コストパフォーマンスのバランスに優れた人気の外壁塗装です。紫外線や風雨に強く、長期間美観を維持できることから、多くの住宅で採用されています。カラーバリエーションも豊富で、遮熱・断熱など機能性も選べるため、こだわりのある人にも最適です。一方で、ひび割れや重ね塗りの難しさなど注意点もあるため、自宅の状況に応じた判断が重要です。長く安心して住み続けたい人には、非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
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