外壁塗装時に発生する嫌なニオイの原因や具体的な対策について解説！
外壁塗装においてニオイの問題は避けて通れません。個人差はありますが、多かれ少なかれ影響がないわけではないので、考慮すべき事項といえるでしょう。ここでは外壁塗装時に発生する嫌なニオイの原因、外壁塗装のニオイが人体に与える影響、外壁塗装のニオイ対策について解説します。
外壁塗装時に発生する嫌なニオイの原因
外壁塗装時に発生する嫌なニオイの原因は当然、壁に塗布する塗料にあります。塗料はさまざまなもので構成されており、それぞれに機能、特性があります。合成樹脂は塗料の機能を決定づけるものになります。
シリコン、アクリル、ウレタン、ラジカル、フッ素、無機など実に多様な種類の塗料が販売されており、一般的に耐用年数が上がれば、その分価格も上がっていきます。もっとも性能のよい無機系に至っては、耐用年数が20年以上と非常に長持ちで高い耐久性を誇ります。中には光と雨だけで汚れを落とす光触媒機能や紫外線吸着機能を持つものもあります。添加物は塗料の機能を保ったり、保管性を向上させたりする機能を持ちます。ベントナイドや脂肪酸アミドは塗料の宿命である「タレ」を防ぎます。
塗料を塗布すると、液状なのでどうしてもタレが生じてしまいます。美観を害するだけではなく、その部分から劣化しやすいので、できれば避けたいものです。界面活性剤は、塗料の性質を安定させ、均一に塗料の成分が広がることを助けたり、保管中の成分が沈殿したりすることを防いだりします。消泡剤は泡をなくし、美観を保ちます。防カビ剤、防腐剤も重要です。カビや塗料の変質は美観を損なうだけでなく、塗料そのものの機能を低下させます。
可塑剤は塗料を滑らかにし、塗り心地を向上させます。ダマになることを防いだり、伸びをよくするために使われたりします。顔料は、塗料に色をつける役割を持ちます。多くの場合、下地の色より薄い色を塗ると下地の色が目立ったり、風合いが悪くなったりするので、下地より濃い色が選択されます。
上記のような原料は、一般的に固形物です。固形物をそのまま壁に塗っても剥がれてしまうので、これを壁に付着させる機能を持つのが溶剤です。
溶剤には水性、油性があります。かつては「水性は耐久力がないが、ニオイは少ない」「油性はニオイがきついが耐久力がある」などといわれましたが、現在はあまり大差がないほど水性塗料の性能が上がってきました。それゆえ、現在使用する塗料のほとんどは水性です。
また、「外壁塗装をするとニオイがきつくて窓を開けられない」「何軒も先にニオイが漂ってくる」などといった声も聞かれました。これは主に油性塗料を使用していた昔のことであるという業者もいるくらいニオイの問題は改善していますが、どうしても油性塗料はシンナーを使用してほかの原料を希釈するので、独特のニオイがあります。また、水性でも溶けているものからのニオイはあるので「水性ならばニオイがない」というわけではありません。
外壁塗装のニオイが人体に与える影響
外壁塗装のニオイが人体に与える影響は多くありますが、個人差が大きく人によって感じ方が異なるので、これが対人的なトラブルの原因になることもあります。外壁塗装のニオイは近隣クレームとして多く報告されており、ある程度の対処が必要な問題でもあるので、事前に施工内容、工期、使用する塗料などについて説明するため、挨拶回りをするのが無難です。
外壁塗装のニオイが人体に与える影響は、めまい、吐き気、月経の周期不順、頭痛、睡眠への障害、呼吸器、粘膜への刺激などが挙げられます。これらの原因を作っているのが、揮発性の有機化合物です。塗料は塗ったものが、乾燥することで壁に密着します。
これは蒸発するものが違うだけで、水性、油性ともに同じです。塗料が蒸発する過程で、空気中に有機化合物が舞い、それが人間に影響を与えるわけです。とくに乳幼児は成人よりも成分の許容範囲が小さいので、場合によっては中毒になってしまうこともあります。
外壁塗装のニオイ対策
外壁塗装のニオイ対策でもっとも効果的なのは、何といっても物理的に距離を置くことです。人体、精神的な影響は人それぞれですが、物理的に距離を置くことでその影響を緩和できることは間違いありません。「一時的に親戚の家に避難する」「ホテルに住む」などの対策で解決できるでしょう。
距離を置くことが難しい場合は、フィルター、喚起機能を内蔵した高性能ガスマスクを装着することがおすすめです。「そこまでは考えていない」という方は、消臭スプレー、活性炭、空気清浄機などあらゆる方法で消臭を試みましょう。
まとめ
外壁塗装時に発生する嫌なニオイの原因、外壁塗装のニオイが人体に与える影響、外壁塗装のニオイ対策について解説しました。外壁塗装のニオイは過去に比べれば格段にマシになりましたが、それでもまだまだ問題でしょう。自分の感じ方、肉体的、精神的な状況を考慮して対処したいものです。上記を参考に外壁塗装のニオイ対策について、適切な対応をとるようにしましょう。
